口腔外科で重要な診療分野が、舌の痛みが伴う病気や、舌のトラブルです。軽度のものから、舌がんなど死に至る重篤な病気までありますので注意が必要です。当院では、舌の病気を早期発見して、適切に対応することは地域の歯科医院の重要な役目だと認識して、慎重に対応しています。
舌痛症
舌の痛みの中で最も多い病気で、何となく舌先がピリピリしたり、舌がやけどしたようにひりひり痛みます。更年期の女性に多くみられましたが、近年では、年齢や性別と関係なく舌痛症になる人が増える傾向にあります。原因としては、入れ歯などの不具合、味覚異常、口内炎、精神的なものなどさまざまなケースがあります。
舌がん
舌の左右の縁などに潰瘍や腫瘤ができ、舌の一部が硬くなったり、異物感、口臭、しゃべりにくい、舌が動かしにくいなどの症状が現れます。50歳以上の人に多く、比較的進行が早いので、早期発見が重要です。
カンジダ症
口の中の粘膜や舌が赤くなり、ピリピリした痛みが伴うのが特徴です。入れ歯を不潔にしている人や、抗生物質を長期に飲んでいる人に多く発症します。
黒毛舌
舌の表面に黒色や褐色の毛が生えているように見える状態で、違和感や、口臭や不快感、味覚障害などが生じます。カンジダ菌が増えた結果として硫黄化合物が生じ、血液中のヘモグロビンが結び付くと考えられています。抗菌剤やステロイド剤の長期投与、洗口剤の症、喫煙、胃腸障害、腎障害などが原因と考えられています。