オーラルフィジシャン(Oral Physician)とは、歯を削って詰めたり、かぶせたりする治療を主体とするのではなく、むし歯や歯周病の原因と悪化させるリスクを調べ、発症させないようにお口の健康を管理していく歯科医師のことです。日本ではまだなじみの薄い言葉ですが、予防先進国ではすでに常識になっています。
むし歯、歯周病は、ある一定のレベルを超えると治すことができません。むし歯の場合、エナメル質が損傷し、さらにその内部にある象牙質が損傷した場合、失われたエナメル質、象牙質を回復させることはできません。体の傷であれば、自然にかさぶたができて、皮膚が損傷部位を覆うことで治癒とみなすことができますが、歯にはそのようなことはありません。
歯周病も、歯肉の腫れや痛みは放っておいても自然に治まりますが、その間に炎症によって歯肉と歯との間の付着が損なわれ、歯を支える骨(歯槽骨)も損なわれていきます。これは一般的な歯科治療では回復させることのできないものです。つまり歯科医師がこれまで主要な仕事としてきた「削って詰めて被せて」という仕事は病気を治すことではなかったのです。
歯とお口の健康を生涯にわたり、守り育てていきます
歯と口の病気を「治す」ことが歯科医師の本来の目的であるならば、これから私たちが取り組むべきことは、治療ではなく予防であり、定期的管理で病気の進行を防ぎ、歯を守ることではないでしょうか。
インプラントなどの高度な医療が発達した今日ですが、歯科治療で最低限の努力で最高の結果を得るには定期管理が必要です。当院では「患者様のお口の健康を生涯にわたり守り育てていくという診療理念のもと、オーラルフィジシャンとして毎日の診療に取り組んでいます。