イギリスの有名な福祉対策として「ゆりかごから墓場まで」という言葉があります。イギリスでは誰もが一生涯、豊かな福祉を受けることのできる国を目指しているのです。
日本と全く形態の異なる健康保険の、NHS(National Health Service)はイギリス政府が運営している国民保険サービスです。この保険サービスは、税収などの財源によって賄われている医療機関なので、利用者の支払い能力にかかわらず利用が可能であり、原則無料で提供されています。
但し、処方薬、歯科、眼科検診、特殊な手術や持病、事故を除きます。
外国人に対しても、6ヶ月以上イギリスに合法的に滞在可能なビザを持っている方であればNHSに加入することができるのです。
ドイツと同様にイギリスでも「ホームドクター制度」を敷いており、各家庭にかかりつけ医としてのGP(General Practitioner)が決められています。
イギリスでは必ず地元のGPに登録しなくては前述のNHSサービスの診察は受けられません。近年では、GPの中には患者数が許容量をオーバーしているため、新規の登録を拒んでいる場合もあります。
医療費が無料になるのは、このGPを受診した時のみです。
もしも独断で他の病院にかかると、費用は全額自己負担になってしまうのです。