赤ちゃんの乳歯は大変むし歯になりやすいのです。
乳歯は永久歯に比較すると歯の質が弱く、表面も薄く作られています。
また、乳歯表面のエナメル質が薄いために歯の表面についた少しの汚れでもむし歯になりやすいのです。
お母さんに注意して頂きたい事として、乳歯のむし歯が白くて気づきにくい点があります。
一般的な大人の歯はむし歯になると黒く変色するのでむし歯に気づきやすいのですが、乳歯の場合は白色や少し黄色味かかったむし歯になるので見た目でむし歯を発見しにくいのです。
さらに、大人のむし歯と比べて乳歯のむし歯は白い状態のままで急速に進行していきます。
大人の場合は小さな黒いむし歯の始まりから症状が進行して痛み出すまでには何年も掛かるといわれていますが、乳歯の場合は僅か数ヶ月で神経まで進むことが少なくありません。
乳歯のむし歯のもう一つの怖い特徴は自覚症状が少ない事です。
大人の場合ですと、むし歯が進行していくと水や食べ物が歯にしみるようになりますが、6才位迄の子供はそれを訴えることがあまりありません。
どこかの歯がしみたら反対の歯で噛んでいれば痛くないので気にしないのです。
そうしてる内にむし歯はどんどん進んで、神経が死ぬ時にはさすがに子供は痛みを訴えます。
しかし、大人の場合はこの痛みが何日も続くのですが、子供の歯は一晩で神経が死んでしまい痛みを感じなくなってしまうのです。次の朝、痛みがなくなった子供は「もう治った」と親に報告します。
そのまま歯医者に行かずにいると、死んだ神経の中で次第に細菌が繁殖して膿を溜めていきます。
やがて、生え変わってくる大切な永久歯が育っている顎の骨に膿が溜まってしまい、神経の死んだ歯は脆くなり気が付くと抜けてしまったりするのです。
少し古いデータになりますが、平成14年の1才6ヶ月検診時点でのむし歯保有率は全国平均で3.9%、少し成長した3歳児検診時点でのむし歯保有率は全国平均ではなんと32.5%まで上昇しているのです。
お母さんの気が付かない内にこんな事が起こってしまうケースが少なくありません。
乳歯の時期は成人よりも頻繁に歯科医師にチェックをしてもらう事が重要なのです。