一般の方だと、放射線イコールX線と思われている方もいるかも知れません。しかし、放射線の中には様々なものが含まれているのです。この内の有名なものを挙げると、アルファ(α)線、ベータ(β)線、ガンマ(γ)線、X線などになります。 一般の医療でも歯科でも、検査のためにはX線が主体として用いられていますが、その理由はどこにあるのでしょうか? そのX線が使われる1番の理由は取り扱いの簡便さに他なりません。他の放射線は作るのが大変なのと、天然にある放射線は取り扱いに厳重な注意をしないと被曝事故につなるリスクがあるのです。 これに対してX線は、一般家庭用の100Vの電源から作ることができるのです。電圧を高くすることが必要ですが、基本的にはコンセントを差し込んでタイマーを設定してスイッチを押し続けるだけで、設定した量だけX線が放出されます。途中でX線の放出を止めたいときには、押しているタイマースイッチを離せばよいという安全機構が付いているわけです。 アルファ(α)線やベータ(β)線などは、特殊な医療機器を使って特定の部位に生じた癌の治療などに応用されていますが、体に対する影響力がさほど大きくなく、比較的安全に使うことができるX線などが、通常のエックス線撮影や放射線治療一般などに用いられているのです。