一般の人にはあまり知られていないかも知れませんが、IgA腎症(慢性糸球体腎炎)という病気があります。
このIgA腎症は2014年に「指定難病」という認定を受けています。
このIgAとは本来は生体を守るべき免疫物質の一つであるImmunogloburin A(免疫グロブリンA)の略です。IgA腎症とは、感冒や扁桃腺炎などによりこのIgAの違うタイプが出現し、腎臓の糸球体に沈着し炎症を起こすことにより、血尿や蛋白尿が出現する慢性の腎炎なのです。
IgA腎症とは、体内に存在する慢性感染からの刺激で離れた臓器である腎臓にダメージを与えると考えられています
IgA腎症の発症原因である慢性感染は病巣感染とも言いますが、多くは扁桃腺が原因とされていて、IgA腎症の治療には扁桃腺摘出が多く行われています。
ですが、この「慢性感染「の原因として「根尖性歯周炎」も挙げられているのです。
根尖性歯周炎とは、歯の根元と骨が当たる部分の根の先に炎症がある状態で、神経を抜いた歯の根の治療が不十分だったりしたときに起こるケースが多いと言われています。
この場合の「治療が不十分」というのは、担当歯科医師の不適切な治療という意味ではなく、治療継続中であるにも関わらず患者さんの自己判断で治療を中断してしまうケースを意味します。
歯科に限らず、患者さんの自己判断の治療中断は大変危険なのです。