タバコはかっこいい大人のアイテムだったのは一昔前。
今では喫煙所を探すことも難しくなっています。
また、世にいる愛煙家が家の中で喫煙することで、さらに受動喫煙の問題も起きています。
そこで今回は、喫煙とむし歯の関係について書かせていただきたいと思います。
受動喫煙で乳歯のむし歯の発生率が「2倍」に
京都大学が約7万人を対象に3歳になるまでにむし歯になる割合を調べた結果、家族に喫煙者がいる子どもは全体の55.3%おり、これらは家族に喫煙者がいない子どもに比べてむし歯になる割合が1.46倍になっていました。
特に、面前で吸われる環境にあった子どもでは、2.14倍であったとのことです。受動喫煙により、だ液の成分が変化し、むし歯ができやすくなる可能性が報告されています。(2015年の調査)
受動喫煙の曝露が10年以上の大学生(永久歯)は「1.5倍」むし歯に
岡山大学が、20歳未満の新入生1,905人を対象に調査した結果、「むし歯」「むし歯で失った歯」「むし歯治療痕がある歯」のいずれかが1本以上ある「むし歯群」は884人。
一方、全くむし歯がなかったのは1,021人でした。
研究グループは双方の歯の健康習慣などを比較し、「1日の歯磨き回数」「歯の矯正をした」「10年以上家庭でたばこの煙にさらされている」の3項目に統計学的有意差(統計的に意味のある違い)が認められました。
さらに受動喫煙に注目して解析し、10年以上受動喫煙を受けていた学生(438人)は、受けていない学生(1,112人)より1.5倍むし歯になり易いことがわかりました。(2020年の調査)
外で吸っても、呼気の中にはしばらくの間タバコの成分が残ります。
また、空気清浄機ではタバコの有害物質の除去はできないとも言われています。
乳歯も永久歯も大切な体の一部です。お子さまの未来のためにも100%禁煙の環境が望まれます。
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