義歯のケアに対する誤解
義歯のケアはいわゆる「むし歯予防、歯周病予防、口臭予防」ではない「歯周病病原細菌と関連性が高いとされる全身疾患(糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、誤嚥性肺炎など)の改善や予防」であることを啓蒙しなくてはならない
義歯使用者の88%は口腔内が不潔であることが報告されている
義歯の効果的な洗浄方法は大半の人が知らない。また80%の人が義歯を間違った方法で洗浄している
【考察:ただしこれらの実験がブラジルの実験であり、実態に即していないところもある。】
義歯洗浄の基本は義歯用ブラシによる器械的洗浄、化学的洗浄は器械的洗浄を補うもの
にもかかわらずメディアの功罪のため「義歯洗浄剤を使えば大丈夫」と思っている患者が日本には多い
媒体による影響力は大きい
義歯は細菌の温床になる
義歯の構成要素の境目がデンチャープラークの温床になりやすい
義歯の構成要素は基本、金属とレジンだが金属の粗造な面にプラークがつく
またレジンは内部に伝チャープラークの侵入をゆるし、継時的に劣化をし、さらにデンチャープラークが増殖しやすい環境を作り出す
【五條考察:レジンにカンジダなどの菌が付着し増殖することは歯科医師は知っている。また義歯自体の医学的寿命が3年前後であることも知っている。にもかかわらずほとんどの患者が義歯が10年以上は使えると信じていることに注意をしなくてはいけない】
「唾液を媒体としてデンチャープラーク内の細菌を、全身の臓器に拡散している」ことを啓蒙する必要がある
特に日本人の死亡原因第3位の細菌性肺炎は歯科医療従事者が注目すべき疾患である