今月のブログでは、前回お伝えした「電動歯ブラシ」について、少し補足したいと思います。
電動歯ブラシを使用することで得られる利点は、主に以下の2つであるといえます。
・手磨きに比較し、ブラッシング時間が短くて済む。
・不器用な方や手を自由に使用できない方の場合、手磨きよりも楽にブラッシングできる。
また、種々の臨床データや論文によると、手磨きに比較し歯垢を落とす効果が有意に高かったことが報告されているのは、ブラウンのオーラルB(ただし、低価格層以外のもの)と、ソニッケアー(「パワーアップ」以外のもの)です。しかし、ここでひとつ注意して頂きたいのは、これらの報告の対象となった方々は、全員初回に電動歯ブラシの使用法についての指導を受け、その後も定期的に指導を受けているという点です。先月のブログにも書きしましたが、適切な使用法を習うということはとても重要です。
一方、別の論文では、電動歯ブラシを使用することにより、手磨きよりも歯の表面が多く削れてしまうという報告もあります。これは8年間に渡り歯の表面の摩耗量を調査した研究ですが、手磨きによる摩耗に比較し、音波歯ブラシは約3倍以上、回転式歯ブラシは 約2倍以上の摩耗量であったとのことです。歯の表面が摩耗すると、歯がしみたり、虫歯になり易くなったりすることがあり、あまり良いことはありません。電動歯ブラシは、清掃の効率は良いのですが、使用時には強く押し当て過ぎないなどの注意も必要です。しかしながら、通常の手磨きによるブラッシングでも、歯の摩耗が確認されたことを報告している論文もあることから、たとえ手磨きであっても、歯ブラシの選択などを適切に行わなければ、歯の表面が必要以上に摩耗するということが分かっています。歯ブラシの選択については、次回のブログで詳しく書かせていただきたいと思いますが、どのような歯ブラシも使い方が悪いと歯の異常な摩耗などが起きてしまいます。従って、まずは正しい使用法を専門家にしっかりと習うことが一番大事であるといえるでしょう。
歯ブラシの選択や使用法などについて詳しくお知りになりたい方は、“歯ブラシのプロ”がいる五條歯科医院にお気軽にお越し下さい。
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