関節リウマチ(RA)とは全身の関節に起こる慢性の炎症性疾患で、自己免疫疾患に分類されますが現在までに原因が特定されていない疾患とされています。
我が国の患者数は約70万人と推定されていて、特に30代~50代の女性に発症しやすいと言われています。
リウマチの初期症状にみられるのは、朝起きた時の関節のこわばりや痛み、腫れで特に手足の指や膝、肘、肩、顎関節等にも症状が出てきます。
脱力感や倦怠感、微熱などの全身症状も伴い、しばしば関節以外の部位にも病変が現れ、さらに進行すると心臓や肺、目や神経系も冒されるケースもある大変重い病気なのです。
「関節リウマチと歯周病」という論文がリウマチ専門医により発表されています。
この日本歯科医師会の発行する出版物に書かれた論文には、歯周病菌がリウマチが関与している可能性が高い、歯周病を治療するとリウマチ薬が効きやすくなる、口腔内細菌が関節内へ移動し炎症を発生させていると推測できる、等が記載されています。
様々な病気への影響が指摘されている歯周病菌ですが、関節リウマチにも関係していたのです。
このブログの膠原病の記事にも記載しましたが、慢性関節リウマチの治療薬としてステロイド剤を長期に服用していると細菌感染に対する抵抗力が減弱して、歯周病を進行させやすくなってしまいます。
歯ブラシの毛で傷を付けないように、歯ブラシを一度水に漬けたり、ブラッシングをする前にうがいをして口の中を湿らせるなどの保湿の工夫や、毛の柔らかいブラシを使用するなどの対応が必要になってきます。
関節リウマチの患者さんは、歯科を受診する前には主治医の先生に歯科治療時の注意点等を記載した依頼書を書いてもらうようにして下さい。
治療情報の共有は各々の適切な治療に不可欠なのです。