糖尿病の方必見! 歯周病治療で人工透析のリスクを軽減
2025年03月31日 [医院ブログ]
糖尿病の方必見! 歯周病治療で人工透析のリスクを軽減
糖尿病と歯周病の関係については、これまでも多くの研究が行われてきましたが、新たな研究で、歯周病治療を受けている糖尿病患者は、人工透析へ移行するリスクが32~44%低いことが示されました。
この研究は、東北大学大学院歯学研究科の研究チームが約10万人の糖尿病患者を対象に追跡調査を行い、明らかになったものです。
糖尿病と歯周病の関係
歯周病は、歯ぐきに炎症が起こり、進行すると歯を支える骨が破壊され、最終的には歯を失う原因となる病気です。糖尿病の方は免疫機能が低下しやすく、炎症が悪化しやすいため、歯周病が進行しやすい傾向にあります。
また、歯周病が糖尿病の血糖コントロールを悪化させることも指摘されています。そのため、歯周病の治療と予防は糖尿病管理の一環としても重要視されています。
歯周病治療で人工透析のリスクが低下?
糖尿病の合併症のひとつに「慢性腎臓病」があります。慢性腎臓病が進行すると、腎機能が低下し、最終的に人工透析が必要になることも少なくありません。今回の研究では、40~74歳の糖尿病患者約10万人の医療データを分析した結果、以下のことが分かりました。
歯科受診をしていない糖尿病患者と比べて、
- 1年に1回以上歯周病治療を受けた患者は、人工透析への移行リスクが32%低下
- 半年に1回以上歯周病治療を受けた患者は、人工透析への移行リスクが44%低下
つまり、定期的に歯科を受診し、歯周病治療を行うことで、腎臓病の進行リスクを抑えられる可能性があるのです。
なぜ歯周病治療が腎臓を守るのか?
歯周病が進行すると、炎症物質が歯ぐきから血流に入り込み、全身の健康に悪影響を及ぼします。慢性的な炎症が続くことで、腎臓にも負担がかかり、腎機能が低下してしまうのです。
一方、歯周病治療を受けることで炎症が抑えられ、腎臓への負担が軽減されることが考えられます。このメカニズムによって、人工透析リスクの低下が示されたのです。
糖尿病の方は定期的な歯科受診を!
この研究結果は、歯周病治療の重要性を改めて示すものです。定期的に歯科を受診することで、糖尿病の管理が改善されるだけでなく、腎臓病の進行を抑えられる可能性があります。
特に糖尿病をお持ちの方には、
- 3~6ヶ月に1回の歯科受診
- 歯石除去やスケーリング(歯のクリーニング)
- 正しい歯みがき方法の指導
- 歯周病の進行チェック
を積極的に受けることをおすすめします。
糖尿病と歯周病は深く関わっています。お口の健康を守ることが、全身の健康を守る第一歩です!
定期的な歯科受診を習慣にして、健康な毎日を送りましょう。
・参考文献
本研究は、東北大学大学院歯学研究科の研究チームによるもので、2025年1月5日に学術誌 Journal of Clinical Periodontology に掲載されました。
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