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放射線治療と歯科

2017年07月15日 [医院ブログ]

ガンに対する放射線治療を行っている場合、放射線はガン細胞を死滅させるだけでなく、正常細胞にもダメージを与えて色々な副作用が出やすい状態になっています。

 

このダメージは口腔内にも及んでくるのです。

 

口や喉のガンで、放射線が口の周辺にあたる治療を行う場合には、ほぼ全ての患者さんの口の中に何らかの副作用が現れてきます。

 

放射線の口腔内の副作用で最も重大なものは口内炎になります。

抗ガン剤治療による口内炎と比べて放射線治療の場合は重症で長引く傾向があるのです。

放射線治療が始まり12週間くらいで口の粘膜はだんだんと赤み帯びて腫れぼったくなり、ヒリヒリとした痛みを感じるようになります。

その後、治療が進行するのつれて粘膜炎は強くなり、強い痛みが続きていき、重症の場合には水を飲むことも辛くなっていきます。

放射線治療が終了すると通常は1ヶ月ぐらいかけて少しづつ粘膜は元に戻ってきますが、その回復途中で傷に感染を起こしたりすると、治りが遅くなることもあるのです。

 

放射線による口内炎は、治療を最後までやり遂げることを邪魔する大きな合併症なのです。

 

口腔内の副作用が重症化すると、放射線治療を続けることができなくなってしまいますが、この治療は途中で中断したりすると、治療の効果が弱まってしまいます。

こうした場合、治療が最後まで順調に進むように、口腔内のケアによって症状を緩和し、二次的な感染のリスクを抑える事が歯科治療に求められてくるのです。

 

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