先日、病院へ実習に行く機会がありました。入院患者様の中には、必要な栄養を経鼻経管栄養や胃ろう、点滴などで補給している方もいらっしゃいました。もうお口から食べないけれど、口腔ケアは必要なのでしょうか。答えは、「必要」です。
実は上記のような経管栄養の方は、お口を使うことが減ることで唾液量が減り、お口の中は乾燥しがちになり細菌だらけになっていることがあります。この細菌だらけの唾液を誤嚥することで、誤嚥性肺炎のリスクも高くなります。たとえ口から食べていなくても、歯ブラシや粘膜ブラシを使って口の中をきれいに保つことは、感染症予防のために大変重要です。
「誤嚥性肺炎とは?」
物を飲み込む働きを嚥下機能、口から食道へ入るべきものが気管に入ってしまうことを誤嚥と言います。誤嚥性肺炎は、嚥下機能障害のため唾液や食べ物、あるいは胃液などと一緒に細菌を気道に誤って吸引することにより発症します。高齢者や寝たきり患者では咳反射が弱くなり嚥下機能が低下します。その結果、口腔内の細菌が気管から肺へと吸引され、肺炎を発症します。また、栄養状態が不良であることや免疫機能の低下なども発症に関与してきます。(一般社団法人日本呼吸器学会HP参考)
関連する訪問治療のページはこちら