高額な医療を受けた人が翌年の確定申告で申告する医療費控除ですが、「何が対象になるか」、「いくら税金が返ってくるか」など誤解されている方が多いようです。
まず、実際に掛かった医療費から10万円を引くと思われている方が多いようですが、総所得金額が200万円未満の方は総所得金額の5%を超えた額が医療費控除の額となります。
また、「10万円を超えないと医療費控除は受けられない」と思っておられる方がいらっしゃいますが、場合によっては10万円以下でも医療費控除を受ける事ができるのです。
例えば一応の目安ですが、会社員でパート等で給与収入が310万円以下の方、64歳以下の年金生活者で公的年金収入が270万円未満の方、65歳以上の年金生活者で公的年金収入が320万円未満の方、自営業者の方で「売上-必要経費(専従者給与含む)-青色申告特別控除」 が200万円未満の方、等に該当される方は10万円以下でも医療費控除を受けられる場合があるのです。
よく、6万円の医療費控除を受けることができたので、実際に税金が6万円も還付されると思われている方がいますが、残念ながら、それは間違いなのです。
例えば、課税所得(課税される所得金額)が195万円以下の方の場合の所得税の税率は5%になり、住民税も同様の手順で課税所得を算出して、一律10%を乗じて所得割の金額を算出します。
もし、この方に医療費控除が6万円あったとすると課税所得が6万円減ることになり、その結果、所得税・住民税合わせて約9,000円が還付(減額)されることになるのです。
とはいえ、自己申告しないと戻ってこない還付金なので、正当に申告して税金を減額するようにするのが得策なのです。