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がんとお口のお話し

2018年08月04日 [スタッフブログ, 医院ブログ]

 

超高齢化社会を迎え、日本人の2人に1人の割合で、生涯何らかのがんに罹患することが報告されています。つまり現代は、がんとともに生きる時代に変わってきたといえます。

こうした時代の要請に応えるために、歯科の役割もここ数年大きく変わってきています。その役割の1つに、がん治療やその他の歯科的なサポートが必要な医科疾患の治療を受けている患者さんに対して、歯科医師が行う歯科治療と口腔機能管理、また歯科衛生士が行う専門的口腔衛生処置(周術期等口腔機能管理)があります。

また近年では、がんの手術においても、切開が少なく低侵襲で入院期間も短い方法が増えるなどの変化が見られます。化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療も入院せず、外来でほとんどが行なわれるようになり、がん治療は入院から外来主体へシフトしてきています。

がん治療を開始すると、例えば抗がん剤副作用として、倦怠感や吐き気、それに伴う食欲不振、味覚障害などの症状が発現します。また、免疫の低下に伴い口腔粘膜炎もできやすくなることから、痛みで食事やブラッシングも充分に出来なくなり、口腔衛生状態は不良になりやすいのです。

そこでがん治療を受けている患者さんに対して、歯科としては、免疫力低下による口腔の感染に対する管理が重要となります。まず抗がん剤投与前から、のどのうがいを強化し、咽頭から下気道へ口腔内細菌を可及的に移動させないことで、感染を予防するということが大切になります。

  1. 口腔粘膜が過敏になっている場合の口腔内ケアとしては、
  • 目安として白血球数が3000以上ある場合、硬さが普通またはやわらかめの歯ブラシを使用する。
  • 白血球数が3000以下になった場合、歯ブラシは毛先の柔らかいものや、ヘッドが小さいものに変更し、保湿も心掛ける。
  1. 味覚障害への対応としては、
  • 舌苔が付いていると味覚が低下するので、舌ブラシなどでこれを除去する。
  • 亜鉛の摂取が有効なので、亜鉛が添加されているゼリーやジュースをお勧めする。
  • 口腔粘膜への刺激を最小限に抑えるため、水分量の多い食事へ変更する。
  • (オススメは亜鉛を含むチーズを使ったホワイトシチュー)
  • 唾液腺マッサージ
  • 保湿ケア

などがあります。

がんだけではなく、どのような疾患に関しても可能な限り医療連携をとり、患者さん一人一人に寄り添いながら、お力になりたいと思っております。

五條歯科医院までお気軽にご相談下さい。

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