大病院に集中しがちな患者さんの分散や重篤な患者さん等の受診時間の短縮を図る為に、近年、国や地方自治体は「かかりつけ医」を中心とした医療連携制度を提唱しています。
患者さんにとって、普段から自分の体調を管理してくれる「かかりつけ医」は大変有り難い存在です。
普段から一人の医師に継続的に身体の状態を診察して貰えるので、これまでの病歴や体質、生活習慣病なども考慮した診療を受けることができるのです。
こういった「かかりつけ医」のメリットに対して、医療現場の医師からはデメリットの指摘もあります。
まず、地域の開業医では夜間対応が整備されておらず、逼迫した急病に対応できないケースがある点です。
確かに、急変した症状では、「かかりつけ医」に対応を仰ぐよりも大病院の救命救急の対応の方が適切といえる場合が多いかも知れません。
また、地域の「かかりつけ医」では必ずしも最新の医療や技術ではないこともある点も指摘されています。
これも、常に最新の医療を研究している大学病院の方が治療に多くの選択肢があるのは事実です。
そして、専門医指向が強くなっている現在では、一人の医師が全ての疾患に対処するのは不適当であり、逆に患者さんの治療に不利益をもたらすという声もあるのです。