歯科用CTと一般の医科用CTとの大きな違いは、医科用の撮影方法が横たわるのに対し、 歯科用CTでは座ったままでの撮影となる事が挙げられます。
また、医科用に比べて撮影時間がかなり短く約10秒ほどで済み、被爆線量が医科の1/8~1/50程度と低水準であるところも大きな違いとなります。
医科用で使われる般CTはファンビーム方式といって、らせん状にカメラが移動して撮影されるので同じ撮影場所周辺に何度もビームが照射されています。
対して、歯科用CTの方はコーンビーム方式といって円錐状(コーン状)のビームを照射する方法で1回転で撮影を終了するのです。
この歯科用CTの長所としては、装置がコンパクトで安価、被爆量が少ない、高画質で画像の乱れが少ない、短い時間で三次元画像を構築できる、患者さんが座ったままで撮影できる、等が挙げられます。
反面の短所としては、柔らかい組織の変化はあまり反映されない、撮影する範囲が狭く限定されている、医科用CTと違って歯科では保険が適用外である点になります。
歯科用CTでは立体的に歯や周囲の骨の状態を観察できるので、1枚のレントゲン写真と比べれば単純に情報量も多くなります。
ただ、この歯科用CTがあれば通常のレントゲン写真は必要なくなるかと言えばそういうことはなく、例えばむし歯の診断には向きませんので、通常のデンタル撮影法と必要に応じて併用します。
反面、インプラントや神経の治療で確実性を高めようと思う時にはCT撮影は非常に有益となるのです。