病院などで医療費を支払うと、明細書が出されて細かい点数が記載されていると思います。
「出来高払い方式」とは、診察や手術、注射、検査など、細分化された一つ一つの医療行為毎に点数を設定し、それらを合計したものが医療費になる方式で、日本ではこの方式が一般的に採用されています。
この「出来高払い方式」においては、一つ一つの医療行為の診療内容と料金が明確になります。
購入したそれぞれの商品の値段の合計金額を支払うという普段の買い物と同じシステムなので、患者にとって親しみやすくて理解しやすいというメリットがあります。
医師側からにしても、合理的な算定方法であり、必要と認めた医療サービスが補償されるので、安心して医療を提供することができるというメリットがあるのです。
ところが、この出来高払い方式に関してデメリットを指摘する声もあるのです。
出来高払い方式の問題点としては、あくまで悪質なケースとして、過剰な検査、過剰な投薬といった過剰な医療の提供があげられます。
医療サービスを積み上げたものが医療費になるため、不要な検査、不要な投薬、入院期間の引き延ばしなどによって医療機関が収益が得ようとするケースがあるのです。
また、行ってもいない医療サービスの架空請求などの悪質な犯罪行為も発生しています。
医療機関に在籍する医師の技術力によって、医療費の節約、入院期間の短縮が行われた場合、患者にとってはメリットがあるものの、医療機関の経営を逆に圧迫することになる事があります。
逆に、技術の低い医師が患者を診た場合、治療期間が延びれば延びるほど医療機関の利益が大きくなるケースもあるのです。
このように医療機関の経営努力や医師の技術力が治療費に正当に反映されないという点が「出来高払い方式」の大きな問題として指摘されているのです。