歯科医療において、予防医療が重要なのはいうまでもありません。
歯科においての予防医療としては、北欧のスウェーデンが世界でもトップクラスの実績を誇っています。
日本では、「高齢になれば歯を失うのは仕方がない」と考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、国をあげて歯科の予防医療を実践しているスウェーデンでは違います。
70歳で自分の歯が何本残っているかの平均値の比較データによると、日本では16.5本ですがスウェーデンでは21本と、大きな開きがあります。
スウェーデンでは、ほとんどの国民が70歳になっても若い時とそんなに変わらない歯の本数を維持していることになるのです。
なぜ日本の歯科医療がスウェーデンに遅れをとっているのでしょうか?
実は、日本の歯科医療における保険制度である「国民健康保険」に、大切な予防医療が進まない原因が潜んでいます。
制度としての「国民健康保険」は充実しているのに、日本では大切な歯科の予防医療が保険対象外とされているのです。
海外からは、日本の医療保険制度は素晴らしいシステムだと高い評価とされていますが、この保険制度がカバーしているのは、国民が最低限度の生活を営むために必要な部分だけなのです。
「予防医療」は保険でカバーされない自由診療(自費診療)のため、ほとんどの歯科医師は予防医療に踏み込むことに対して躊躇してしまう現状があるのです。
患者さん側にしても、治療費が保険適用で安くすむなら、高い予防医療を敬遠してしまうという事になってしまいます。
本来、スウェーデンのように予防医療を重視すれば、将来的に治療費の保険負担が軽減されるのは明らかなのです。