日本と比較して、海外の医療費は高いというイメージがあります。
少し前の資料になりますが、2008年時点で、ある保険会社の調査による盲腸手術の医療費として、アメリカのサンフランシスコの病院の例として何と250万円の報告がされています。
これが日本だと、手術代と入院費を全て込みで健康保険の3割負担の場合だと8~10万円程度というのが一般的な治療費の目安とされています。
歯科治療の場合だと、日本の歯科治療費は国際平均価格のわずか13%であり、3割負担での支払いベースで考えると国際的な平均歯科治療費のたった4%程度で歯科治療が受けられている事になります。
いかに日本の治療費が安いかが、十分理解できる数字といえるでしょう。
海外旅行中の急な歯の痛みも、できれば日本に帰ってから治療したいところですが、どうしても我慢できないという緊急時には意を決して現地の歯科医の治療を受けることになります。
そこで待っているのが、高額な治療費の支払いです。
一例を挙げると、神経を取って歯を削って詰め物をした場合、日本では保険適用だと数千円程度で済む治療が、アメリカでは軽く10万円を超えるといわれているのです。
こんな場合でも、日本の保険を利用できる制度があります。
とりあえずは現地で一旦窓口で治療費全額を支払わなくてはなりませんが、その際に必要書類に記入してもらい、日本に帰って申請すれば、日本の健康保険から自己負担分(3割など)を超過した分が戻ってくるケースがあるのです。
この制度を海外療養費制度と言います。
注意して頂きたいのは、この制度の対象となるのはむし歯を削って銀の詰め物をしたり歯を抜いた場合など日本で保険適用となっている治療のみという事です。
歯の治療が目的で渡航する場合や、セラミックなどの高級素材を使った治療やホワイトニングなどの審美目的では海外療養費制度の対象とはなりませんので十分注意するようにして下さい。