「入れ歯」って食べるときだけつけていればいいの?」「見た目が気にならなければしなくてもいいの?」と、疑問に思うことはありませんか?
私たちは普段の診療で患者様に「日中はできるだけ入れ歯を装着してください。」とお伝えしています。
なぜなら、「誤嚥を防ぐため」です。
実は、入れ歯には食べ物をつぶす役割の他に「飲み込む役割」も担っています。
歯がない人は舌の上にある食べ物をのどに送り込む動作がスムーズにいきません。
わたしたちは食べ物を口に入れたあと、無意識に口と歯を閉じ、口腔内を閉鎖空間にして圧を高めています。
しかし、歯がない人はこの圧をしっかり高められないのです。
それでも、きちんと調整された入れ歯を装着していれば、食塊をのどに送り込んで飲み込むために十分な嚥下圧をつくることができます。
食事以外にも、唾液を飲み込んだり、水分を摂るときも同じです。
入れ歯が合わない場合は歯科医院で調整し、日中はできるだけ装着するようにしましょう。
そうすることで、誤嚥を防ぎ、飲み込む力を保つことにもつながります。
出典:一般社団法人日本訪問歯科協会『知って得する!口から健康お役立ちBOOk』現代書林,2021,44-45