近年よく聞かれる医療用語にインプラントがあります。
一般的なインプラント(人工歯根)とは、抜歯したところの骨に医療用のネジを埋め込んで、そのネジを土台にして連結部のアバットメントと人工の歯を装着する治療法です。
実は矯正治療にも、このインプラントが採用されているのです。
新しい治療になるインプラント矯正とは、矯正用インプラントを使って歯並びを治療する方法になります。
このインプラント矯正を行うことによって、今までなら抜歯するケースだった歯並びの矯正を抜歯せずにできたり、治療期間を短縮できたりすることができるようになっています。
矯正用に使用するインプラントは一般的な歯科用インプラントとは違い、長期間に渡って使用するものでも噛むためのものではありません。
あくまで矯正用だけに使うインプラント自体は、長さは10mm程度、太さは1.5〜3mm程度のごく小さなインプラントを使用します。
矯正用インプラントを挿入する方法としては、まず麻酔をして、矯正用インプラントを入れる場所に1mm程度の穴を空けていきます。
その後に矯正用インプラントを穴の中に挿入していきますが、要する時間は15分程度で痛みや出血はほとんどありません。
このインプラント矯正のメリットとしては、抜歯をせずに矯正治療をできるケースがある点、矯正の治療期間を短くできる点、複雑な装置を使わないで済む点、動かしたい歯だけを動かすことができる点、治療中のむし歯のリスクを減らせる点、などが挙げられます。
対するデメリットとしては、歯科用インプラントのように長期間使うものではないため早い段階で抜けてしまうことがある点、治療後に取り除く必要がある点、などありますが、これまでの矯正治療の大きなネックだった長期間の治療期間が大幅に短縮される点が特に注目されているのです。