歯というものは、顎の骨(歯槽骨)の中に根元が埋まっていて、その上に歯肉がかぶさっています。つまり、外から見えている歯というのは、歯の頭の一部分だけという事になります。歯のトラブルというとむし歯や歯周病が多くなりますが、外から見えている状態は全体の症状の一部になり内部の状態までは確認できません。そこで内部の状態を詳しく診断する為にレントゲン(X線)検査が必要になってくるのです。 医療全般で行われている検査には、レントゲン以外の検査も幾つかありますが歯科ではレントゲンが主流で、これには理由があるのです。 産婦人科や内科の検査で良く使われている「超音波(エコー)検査」は、超音波を使用しているので被爆のリスクはありません。しかし、この超音波は骨や空気の中を通過できないので歯科の検査には使えないのです。 体内の詳しい検査に使われる「MRI」は、骨の中の状態は見えるのですが歯の中の細かい状態までは確認できません。「MRI」は磁気を利用した検査法なので被爆の問題はないのですが、歯科の検査には向いていないのです。 他には、レントゲンを使った「CT」検査がありますが、この検査は検査する患部を輪切りにして撮影するのが特徴なので、細かいむし歯の患部などを見るのには適していません。 つまり、歯の検査にはレントゲンが一番適しているのです。