「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる」季節になりました。
今が旬である“タケノコ”、“ふき”など、春の香りを楽しむ食材は、噛む力や飲み込む力が低下した高齢者にとって、とても食べにくい食材の代表選手です。しかしながら、噛み切りにくい食材も、調理法を少し工夫すれば、無理なく召し上がれるようになります。
春のおかずの定番「若竹煮」は、繊維が残りにくい穂先の柔らかい部分を使うか、繊維を断ち切るように隠し包丁を入れます。噛みにくいからと細かく刻んでしまうと、口の中でばらばらになってしまい、ますます噛みにくく、誤嚥しやすくなりますので注意してください。
旬のワカメも、口やのどに貼り付く可能性がありますので、やや小さめに切り、煮込んで柔らかくしてください。
ふきは下処理をしっかりと行えば、食べやすくなります。まな板の上にふきを並べて、大匙1杯程度の塩をふりかけ、ふき同士をこすり合わせるようにしっかりと板ずりします。大きな鍋に湯を沸かし、板ずりしたふきを3~5分間茹でます。茹で上がったふきを氷水にとり、むき残しがないように端から皮をむきます。丁寧にした処理をしたふきを5センチ程度に切り、塩を加えただし汁に漬け込めば、「ふきの青煮」の完成です。
タケノコやふきは食物繊維が豊富で、便秘の改善や腸内環境を整えるデトックス効果が期待できます。また、体の水分バランスを整え、ナトリウム(塩分)を排泄する役割を有するカリウムも多く含まれ、高血圧の予防やむくみの解消に効果的な食材とも言われています。
今が旬の食材にひと手間かけて、食卓の一品にしてはいかかでしょうか。
金沢区の五條歯科医院では、お口の状態に合わせた調理方法もご紹介しています。