ご存知のように、日本とアメリカでは医療保険制度そのものが大きく異なっています。日本では全ての国民が社会保険に加入する事が義務づけられていますが、アメリカでは現在、4800万人の国民が医療保険にひとつも入っていません。 アメリカでの診療は自由診療が基本ですが、そもそも医療費が高額な事、個人が高額の民間の医療保険会社と契約を行う事、医療費の多い慢性病患者等は保険更新を拒否されたりする事、などが原因で医療を受けられない国民が少なくないのです。アメリカの自己破産者の原因の6割は医療費が原因であるともいわれているほどです。 日本では簡単な歯の保険治療であれば数百円で済む場合がありますが、アメリカでは10~20倍になるケースが少なくありません。また、アメリカの民間保険には歯科治療は適用外になっていて歯の治療には更にオプションの保険加入が必要になる場合が殆どといわれています。 このブログの歯列矯正の記事にも記載しましたが、一定以上の経済力のある家庭では子供の歯列矯正や予防歯科に積極的ですが、一旦むし歯や歯周病になれば治療費が高額になるので事前の予防治療を受ける方が経済的になる点も考慮されているようです。 日本の予防歯科が定着しないのは、保険適用の治療費が安いからとも指摘されていて、これは誠に皮肉な現象といえるでしょう。