むし歯のお子さんを持ったお母さんの中には「子供の乳歯の神経を取ると永久歯の神経もなくなるのですか?」と心配をされている方がいます。
答えは「ノー」です。
乳歯の神経と永久歯の神経は各々が独立した別のもので、たとえ乳歯の神経を取っても永久歯の神経がなくなることはありませんのでご安心下さい。
神経の治療が必要な乳歯があっても治療をせずに放置していると、乳歯の根の先に膿がたまって生え変わるべき永久歯のエナメル質が正常にできない事もあるのです。
5才位になると乳歯の根の下に、やがて交換される永久歯が既に準備しています。
この乳歯の根の先に膿がたまるようになれば、その下の永久歯は膿の中で育つことになり、当然ながら永久歯にとって良い結果は望めません。
乳歯の神経の治療は乳歯自体のためでもあり、永久歯のためでもあるのです。
神経を抜く治療に際して、麻酔の注射について心配されるお母さんもいらっしゃいます。
神経を取る治療であれば、やはり麻酔は必要になり大人と同じように注射をして麻酔する流れになりますが、針が刺さる時の痛みを和らげるために塗り薬や貼り薬で表面麻酔をすることもあります。
神経を抜く場合、取り去るのは歯の中の歯髄の部分だけで歯の外の部分には触れません。
歯髄まで到達したむし歯を放置すると次第に歯の外にまで細菌が侵入して膿の袋ができてしまいます。
乳歯の場合、この膿の袋が永久歯に悪影響を及ぼすので早目の治療が結果的には永久歯を守る事になるのです。