頭頚部の放射線照射では、大唾液腺が照射範囲に入ることがあるため、唾液が出にくくなり口腔乾燥が生じます。
これに対応する為、口腔管理開始は治療開始と同時に始めることが必要となります。
口腔乾燥や自浄作用低下による根面う蝕からの顎骨への感染によって生じる放射線顎骨壊死予防としても必要です。
口腔粘膜炎が生じる前であれば歯石除去とフッ化物塗布、就寝前の歯間ブラシなどでの清掃や毎食後と就寝前の1日4回、アズノール含嗽剤と保湿剤塗布が効果的です。
口腔粘膜炎による疼痛があり、セルフケアがしにくい場合は、補清と保湿に重点をおいた専門的な口腔ケアをします。
含嗽剤や水がしみるようなら生理食塩水での含嗽をしてください。
放射線治療終了後も口腔乾燥ケアのため、引き続き口腔管理が必要です。
口腔粘膜炎が治癒したら、セルフケアとして1日2回のフッ化物配合歯磨剤を使用したブラッシング、又歯科医院でも定期管理としてフッ化物塗布をしていきましょう。